指の筋肉を鍛えるトレーニング | ピアノが上達する練習法

指の筋肉と一言で言っても、10種類以上の筋肉があります。

「指の筋肉を鍛えるトレーニング | ピアノが上達する練習法」では、解剖学の視点から、ピアノを弾く指の筋肉を鍛えるためのトレーニングを紹介します。


1.どこの筋肉を鍛えるのか

ピアノを弾く時、打鍵するために指の筋肉は指を上下させるために運動します。また、和音を弾く時には、指と指を離したりくっつけたりする筋肉が運動しています。

指と指を離したりくっつけたりする筋肉については、ジャンケンのパーと気を付けの時のように手の指をそろえる動きができれば、大きな問題はないと思いますので、ここでは指を上下に動かすための筋肉についてのみ言及します。

ピアノを弾く指の動きをよく観察してみると、指の根元から二つ目にある遠位指節間関節(DIP関節)と、指の根元の次にある近位指節間関節(PIP関節)を曲げた状態で、指の根元の関節である手根中手関節(MCP関節)を上下に動かして打鍵しているのがわかります。


1.指伸筋と虫様筋

人差し指から小指の4本の指のMCP関節を動かす筋肉は、大きく分けて二つ、指伸筋と虫様筋があります。

指伸筋は指を手の甲のほうに持ち上げる筋肉、虫様筋はMCP関節を手のひら側に曲げる筋肉です。

指伸筋には総指伸筋、示指伸筋、小指伸筋の三つ、虫様筋はそれぞれの指に一つずつあります。

総指伸筋は人差し指、中指、薬指、小指のすべての指を動かす筋肉で、示指伸筋と小指伸筋はその名が示すとおり、それぞれ人差し指と小指専用の筋肉です。

また、総指伸筋と虫様筋は結合していて、特に小指、薬指は虫様筋との結合が強く、総指伸筋だけで指を持ち上げようとしても、虫様筋に引っ張られてしまいます。


2.薬指だけが動かしにくい理由

人差し指は示指伸筋があり、総指伸筋と虫様筋の結合が弱いため、4本の指の中で一番自由に動かすことができます。

小指は総指伸筋と虫様筋の結合が最も強いのですが、小指伸筋のおかげで自由度が高くなっています。

中指は総指伸筋と虫様筋の結合が弱いため、虫様筋の影響をほとんど受けずに動かすことができます。

薬指は、薬指を持ち上げる専用の筋肉がなく、総指伸筋と虫様筋との結合が強いため、総指伸筋で連動している中指と小指を持ち上げていない状態で、総指伸筋で薬指だけを持ち上げることは困難です。


3.指伸筋を鍛える

虫様筋はピアノ演奏中には弛緩しておくべき筋肉として分類されています。

ピアノを弾く時の指の形は「タマゴが一つ入る」空間を保つため、グーのようにMCP関節を曲げることはありませんし、虫様筋を弛緩させていた方が指伸筋の動きがよくなります。

つまり、鍛えるべき筋肉は指伸筋ということになります。


.伸筋のトレーニング方法

それでは、具体的なトレーニング方法の説明に入ります。トレーニング方法は、アイソメトリックを用います。

人差し指と小指はそれぞれ専用の指伸筋を持っていますので、1本ずつトレーニングします。中指と薬指は総指伸筋ですので、2本まとめてトレーニングします。

鍛えたい指をピアノを弾く指の形にして、反対の手の指で鍛えたい指の背を押さえて10秒ほど抵抗を与えるのを1セットとして、1日2~3セットを毎日または1日おきに実施します。

あまり力を入れすぎると指を痛めてしまいますので、軽く抑えるようにして下さい。

トレーニングは続けることが重要です。いつでもどこでもできるトレーニングですので、ぜひ試してみて下さい。

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