ピアノのペダルの名前と意味

ピアノのペダルにはそれぞれ名前がついていますが、わかったようでわかっていなかったりするものです。

「ピアノのペダルの名前と意味」では、各ペダルの名前について調べてみます。


1.ダンパーペダルのダンパーとは

一番右にあるダンパーペダルはダンパーを上げるペダルですが、そもそもダンパーって何でしょう。

ピアノのダンパーペダルのダンパーは「damper」と書きますが、辞書で調べてみますとその意味は「勢いをくじくもの」とか「運動エネルギーを減衰させるもの」と書かれています。

要するに、弦の振動を止めるために作られたもので、一部の高音の弦をのぞいて、すべての弦に備わっています。

鍵盤を押すとダンパーが弦から離れて、ハンマーが弦をたたいて振動させます。

鍵盤を戻すとダンパーは弦に密着して弦の振動を止めて音を消します。

ダンパーペダルを踏むと、すべてのダンパーが弦から離れ、共振するようになります。

ダンパーペダルを踏んでいる状態で他の楽器を鳴らしたり、大きな声で歌ってみてください。

ピアノを弾いていないのにピアノから音が出るのがわかると思います。

これは、弦のもつ振動数と同じ振動数の音がなると、その弦も音叉のように共振するためです。

ダンパーが普段弦に密着しているのは、この共振を防ぐためなのです。

ダンパーペダルを使った練習法ではこのことをよく理解しておく必要があります。


2.サスティンペダルのサスティンとは

ピアノのサスティンペダルのサスティンは「sustain」と書きますが、その意味は「維持する」という意味があります。

これは特定の弦のダンパーだけを弦から離すことで、その音を「維持する」ことから、この名がついたものと思われます。

サスティンペダルはペダルを踏んだときに抑えられている鍵盤のダンパーだけを戻さずに弦から離れた状態を維持し、サスティンペダルを踏んだときに抑えられていない鍵盤のダンパーは弦に密着したままになります。


3.ソフトペダルのソフトとは

ソフト(soft)は、ソフトボールやソフトクリームのようになじみのある言葉ですが、ピアノのソフトペダルのソフトも「やわらかい」という意味があります。

アップライトピアノでは、ソフトペダルを踏むと弦をたたくハンマーが通常の位置より弦に近くなり、弦をたたく力が抑えられるため、音が小さくやわらかくなります。

グランドピアノでは、シフトペダルともいいますが、シフト(shift)は「変える」とか「移す」という意味があります。

シフトペダルを踏むと、鍵盤そのものが右側にずれるので、シフトペダルというのですね。

鍵盤が移動すると、弦をたたくハンマーも一緒に移動しますが、弦の位置は変わりません。

そうすると、ハンマーがたたく弦の本数が減ったり、弦の芯をはずしてたたくことになりますので、音が小さくなります。

また、ハンマーも普段から弦をたたいてフエルトが硬くなった分部ではなく、あまり使われていないやわらかい部分で弦をたたくことになりますので、音色に大きな変化があります。


4.マフラーペダルのマフラーとは

アップライトピアノのマフラー(muffler)は、マフラーフエルトといい、厚さ1mmの羊毛でできているもので、あったかそうなのですが、襟巻きのような防寒具としてのマフラーではなく、車やバイクのマフラー、つまり、消音装置のことです。

マフラーペダルを踏むと、弦とハンマーの間にマフラーが下りてきて、ハンマーはマフラー越しに弦をたたくようになるので、ずいぶん音が小さくなりますし、音色の変化も大きくなります。

それぞれのペダルの機能を忘れないためにも、名前の意味までしっかり理解しておくと、それぞれの練習法も効果が上がると思います。

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