スケールの練習法 | ピアノの上達法
スケールとは音階のことを意味しています。
音階については、音階の練習法で述べていますので、「スケールの練習法│ピアノの上達法」では、ジャズのアドリブでも使われる7つのスケールとそのピアノでの練習法について説明します。
1.教会旋法
1960年代ごろからジャズのアドリブで使用されはじめたスケールの元になっているのは、教会旋法といわれるもので、これはグレゴリオ聖歌で用いられたものです。
ジャズで使用されるスケールとしては、イオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンの7つのスケールです。
一つずつみていきましょう。
1.イオニアン
これは現在普通に使われている長音階、すなわち「ドレミファソラシド」のことをいいます。
スケールを隣接する二つの音程でいいかえると、「ド」と「レ」の間が全音、「レ」と「ミ」の間も全音、「ミ」と「ファ」の間は半音、「ファ」と「ソ」の間は全音、「ソ」と「ラ」の間は全音、「ラ」と「シ」の間が全音、「シ」と「ド」の間は半音となっているので、イオニアンは「全全半全全全半」の音程で並んでいることになります。
2.リディアン
リディアンは長音階の「レ」を主音とした音階で、「レミファソラシドレ」となります。
音程でいうと、「全半全全全半全」となります。
3.フリジアン
フリジアンは「ミ」を主音とした音階で、「ミファソラシドレミ」となり、音程は「半全全全半全全」です。
4.リディアン
リディアンは「ファ」を主音とした音階で、「ファソラシドレミファ」となり、音程は「全全全半全全半」です。
5.ミクソリディアン
ミクソリディアンは「ソ」を主音とした音階で、「ソラシドレミファソ」となり、音程は「全全半全全半全」です。
6.エオリアン
エオリアンは現在の自然短音階で、「ラ」を主音とした「ラシドレミファソラ」となり、音程は「全半全全半全全」です。
7.ロクリアン
ロクリアンは「シ」を主音とした音階で、「シドレミファソラシ」となり、音程は「半全全半全全全」です。
2.ミクソリディアンの変化
ジャズらしさをかもし出すスケールとしてはミクソリディアンの変化形であるオルタード・スケールがあります。
テンションを変化させて5度を省略し、「ド・レ♭・レ♯・ミ・ファ♯・ラ♭・シ♭・ド」という哀愁を帯びたスケールになります。
「半全半全全全全」という音程になります。
このオルタード・スケールは7thコード上でしか使うことができないスケールです。
3.スケールの練習法
ジャズでは、同じ音からすべてのスケールを弾けるようにならなければなりませんので、ドから始まるイオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアン、そしてオルタード・スケールまでをピアノで弾けるようになる練習が必要です。
ドからだけでなく、すべての音から始まるそれぞれのスケールを弾けるようにならなければなりませんが、ドから始まるすべてのスケールを弾けるようになれば、他の音から始まるスケールをピアノで練習する時には、スケールの感覚が身についているはずですので、比較的楽にできると思います。
地道な練習になりますが、やればやったぶんだけ身につきますので、がんばりましょう。