指くぐりのやり方 | ピアノが上達する練習法
5本の指で8つの音階をピアノでなめらかに弾くためには、親指を支点とした手の移動、すなわち指くぐりが必要になります。
「指くぐりのやり方 | ピアノが上達する練習法」では、指くぐりについて説明します。
1.基礎練習
指くぐりの際、親指は日常生活にはない半円を描くような動きをしますので、最初はうまく動かしたり、早くなめらかに動かすことが難しいはずです。
このような動きを身につけるためのの基礎練習には二つのアプローチがありますので、右手も左手も二つともマスターするようにして下さい。
1.他の指を支点にする練習法
レの音を中指または薬指で抑え、その指を支点として親指を動かす練習法です。
レを抑えた状態で、ドとミ交互に親指で弾きます。
この時に注意することは、支点になっている指を中心にして手首を回さないことです。
手首を回転させると、肘や肩も動いてしまいますので、とても大きな動きになってしまいます。
指くぐりをするたびに肘や肩が動いてしまっては、鳥が羽ばたくようなピアノの弾き方になってしまいかねません。
それではみっともないですし、速いパッセージを演奏することが困難になります。
手首を回さないでどこを動かすのかといえば、親指のMCP関節(親指の付け根の関節)を支点に、半円を描くように親指を動かすのです。
中指より薬指を支点にするほうが難しいと思いますが、どちらもできるようにしなければなりませんので、両方の指で練習するようにしましょう。
2.親指を支点にする練習法
次に、親指を支点にする練習法ですが、これはソの音を親指で抑えた状態で、右手の場合はファの音を中指または薬指、ラの音を人差し指、左手の場合はその逆で、ファの音を人差し指、ラの音を中指または薬指で交互に弾きます。
このような運指でファとラを弾くと、手全体が左右に移動することになりますが、この練習法でも手首を回転させないように注意してください。
手首の角度は固定したまま、親指のMCP関節を曲げたり伸ばしたりして、手そのものを左右に平行移動させます。
この練習法でも、中指より薬指のほうが難しいのですが、どちらもできるようにしておかなければなりません。
2.注意点
何度も書きますが、手首は回さない、というのが一番のポイントです。
親指のMCP関節だけを動かして手首の角度は動かさず、鍵盤に対して平行に手を移動させるようにします。
目標は、ピアノで音階を弾いた時に、音を聴いた人や手の動きを見ている人が、どこで指くぐりをしたかわからないようにすることです。
そのためには、ゆっくりでも、テンポ通りに、打鍵の強さにも気をつけながら、練習するしかありません。
なめらかに弾けるようになるまでには、相当の時間が必要ですが、根気よく続けていけば、必ずできるようになります。