まむし指の直し方 | ピアノが上達する練習法
ピアノを弾く時、親指の付け根の関節(MP関節)が外側に曲がってしまっている状態のことをまむし指と言います。
このような状態では綺麗な音を出すことができなかったり、力が入りすぎたりしてしまい、指を痛めてしまうことがあります。
では、まむし指の矯正方法をご紹介します。
1.まむし指とは
医学的なまむし指とは、「短指症」といわれるもので、ピアノを弾く時のまむし指のことを指したものではありません。
短指症は、指先のほうの関節から先が普通より太く短くなっているかたちがマムシの頭に似ているところからこの名がついたようです。
短指症の場合は、関節とは関係がありませんので、ピアノを弾く時に障害にはなりません。
ピアノを弾く時のいわゆるまむし指とは、親指のMP関節が外側に曲がっている状態のことをいいます。
マムシが首をもたげているように見えることからそのように呼ばれているようです。
2.まむし指の弊害
指をピアノを弾くための正しい形にした場合、親指を打鍵した時に指を支える関節は手首にある手根中手関節(CM関節)です。
まむし指はMP関節が外側に曲がるため、打鍵した時に指を支えるところがCM関節からMP関節に移ってしまい、体重を乗せた強い音を出すことが難しくなります。
また、オクターブ奏法や大きな音を出すために力を入れて打鍵した時、本来CM関節で吸収すべき力をCM関節で吸収できず、その分MP関節に負荷をかけることになってしまうため、指を痛める誘引になります。
3.まむし指の直し方
まむし指は子供のうちであれば比較的簡単に矯正することができますが、骨格が固まってしまった大人の場合は難しいといわれています。
しかし、訓練によってある程度のコントロールは可能です。
1.筋肉を鍛える
関節を内側に曲げる筋肉を強化することで、まむし指にならないようにすることができます。
この筋肉を鍛える運動としては、指相撲が良いとされています。
指を前後左右に動かす時、CM関節を軸にして動かすため、筋肉を楽しみながら鍛えることができます。
また、テレビを見ている時間などに、ゴムボールなどを握るようにすると、MP関節が内側に曲がった状態を保つことができるようになります。
2.和音の場合
オクターブや和音を弾く時は、親指で鍵盤を押さえるというより、親指の内側にある隣の鍵盤をつかむようにするとMP関節は外側に曲がりにくくなります。
無意識のうちについてしまった癖ですので、意識して変えるようにしてみてください。
あまり神経質にならないように、こだわりすぎないようにしないと長続きしませんので、思い出したときに意識するようにしてみてください。