ピアノでの「指を温める」とは

ピアノを弾く時に、「まずは指を温めなさい」と言われた事はありませんか。

これは別にカイロなどで指を温めろと言っているわけではありません。

ピアノで言う「指を温める」の意味と、その方法を紹介します。


1.ピアノにおける「指を温める」の意味

ピアノでの「指を温める」というのは、単に指の外側を温めろという意味ではありません。

簡単に言えば、運動の前の「身体を温める」の「温める」と同じです。

すなわち、今から運動をするための、ピアノを弾くための準備運動をするという事です。

温める理由は、運動をする時と同じです。

より指を動きやすくしたり、急な動作での怪我を防ぐ役割があります。

指を温めることによって練習の質が良くなり、上達しやすくなりますし、何よりも指を痛める事を防ぐ事ができます。

特に冬場は、指がかじかんでいると動きにくいので、よく指を温めるようにしましょう。


2.指の温め方

指の温め方は人それぞれです。

例えば、練習曲ハノンの1番。

最も基本的な指の動きで、無理なく指を動かすことができます。

最初に2,3周この曲を弾くだけで、指はピアノを弾くための準備ができるでしょう。

他にも、自分の練習している練習曲を弾くという方法もあります。

あまり激しい練習曲ならば別ですが、基本的に練習曲は指がしっかりと動くように作られています。

指の温めの一環として、練習曲を練習するのも良いでしょう。

特に難しい曲や激しい曲を練習する前は、念入りに指を温めるようにして下さい。

しかし、やりすぎて練習に入る前に、指が疲れてしまっては上達できません。

指の温め方を決めておき、やり過ぎないように注意しましょう。


3.演奏会前は

練習を始める前に、指を温めることは必要な事です。

しかしながら、演奏会などで演奏する場合、弾く直前まで指を温めてはいられません。

良くても、演奏の1,2時間前には温めておけるくらいでしょう。

そこで演奏会が近づいてきたら、練習時は指を温める前に、1度曲を通して弾いてみるようにして下さい。

先ほどと矛盾しているように感じるかもしれませんが、指を痛めるのは、反復練習などを指を温めずに長時間行った場合です。

1曲通すくらいならば、大丈夫でしょう。

演奏会前にそのような練習をしておく事によって、演奏会前に充分指が温められなくても、ある程度自信を持って、弾けるようになります。

演奏会前は、緊張してただでさえ指がこわばります。

普段の練習で、指が温まっていなくてもピアノを弾けるようにしておきましょう。

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