ピアノの表現力をつける練習
ピアノを演奏する時、例えば発表会やコンクールで、楽譜に書いてある音符を淡々と弾くだけでは聴いている人に何も伝わりません。
自分がその曲をどんなふうに演奏したいのか、その表現をつけるためのピアノの練習法をお伝えします。
1.表現力のある演奏
表現力のある演奏は、聴いている人を楽しませてくれます。
明るくて元気な曲はとても楽しい気持ちに、優しいメロディーの曲は聴いている人も優しい気持ちになる、そんな演奏が理想的ですね。
ピアノを通して自分を表現し、演奏する側も聴いている人も一緒に楽しめるような演奏を心がけるとピアノの上達につながります。
2.ピアノの表現力をつける練習法
ではどのような練習をすれば表現力のある演奏になるのか、具体的にお伝えします。
1.強弱をつける
表現力をつける練習で比較的簡単にできるのは強弱をつけることです。
楽譜を見てみると、所々で強弱記号が書かれています。
盛り上がっていくところはクレシェンドしていく、1番盛り上がるところはフォルテで弾く、フレーズの最後や曲の最後など消えていくように終わる時はデクレシェンドする、など強弱記号はその曲の作曲者の意図が示されています。
強弱記号の指示を守って弾くだけで、曲に動きがでて良い演奏になります。
逆に最初から最後までずっと同じ大きさだと、聴いている人は退屈するかもしれません。
そして強弱記号を守っているつもりでも、聴いている側がそのように聴こえていないかもしれません。
自分の耳でしっかり聴いて、強弱ができているかどうか確認しましょう。
2.イメージする、その気持ちになりきる
この曲はどういう曲なのか、まず自分なりに物語を考えてみましょう。
例えば、最初のイントロは動物の〇〇が元気よく走ってきた、次のフレーズは友達と楽しくお話ししている場面〜というように曲の最後まで1つの物語として考えてみましょう。
それができれば次はその場面を想像し、それはどんな気持ちなのか、演奏する自分がその物語の気持ちになりきって演奏します。
「なりきる」このことは非常に重要です。
わかりやすい説明で、俳優さんや女優さんは役になりきって演じます。
いかにその役になりきれるか、なりきって演じている俳優さん女優さんは演技に表現力があり説得力があります。
だから観ている側も、その物語が実際に起こっているかのようにその世界に引き込まれていきます。
ピアノの演奏も同様です。
1曲の物語を人に伝えるには、感情を込めて、その気持ちになりきって演奏しなければ聴いている人には伝わりません。
人に伝える説得力のある演奏をするには、自分がなりきって演奏しましょう。
3.様々な経験をさせ五感を刺激する
なりきって演奏する、それは心の中から表れる感情です。
それは自分が実際に経験したことのある感情でないと表現できませんね。
表現力をつけるには、様々な経験をし五感を刺激しましょう。
例えば、綺麗な景色を見て感動する気持ち、雪を初めて触った時の感触、良い匂いを嗅いだり、美味しいものを食べた時、オーケストラの迫力ある演奏を聴いた時、そんな経験を通して五感を刺激し感性を育てていきましょう。
そうすると演奏の中でその感性が生かされ表現豊かな演奏ができピアノが上達します。
表現力のある演奏をするには、自分がどういう気持ちで弾きたいのかを考え、その気持ちになりきって演奏するように心がけましょう。