エチュードを練習する重要性│ピアノの上達法
エチュードとは、練習曲のことです。
ピアノのエチュードにはショパンの「革命」のような難度の高いものから、バイエルのような初心者向けのものまで様々な種類がありますが、それぞれに作曲された目的があります。
本記事では、エチュードを取り入れた効果について考えてみます。
1.エチュードは技術習得の近道
エチュードは必ず何らかの技術習得を目的として作曲されているため、ピアノのエチュードが弾けるようになって、また、繰り返し練習することで、その技術を効率的に身につけられるようになっています。
つまり、自分の弾きたい曲があって、その曲だけを一生懸命にピアノで練習するより、その曲を弾きこなすのに必要な技術をエチュードで身につけてから練習した方が、短期間で弾くことができるものです。
極端な例ですが、楽譜を読むという技術を持っていない時に、「エリーゼのために」の練習を始めるのと、初心者が学ぶべき技術をピアノのエチュードである程度進めてから練習を始める場合を比較してみましょう。
前者の場合、楽譜を読む方法を勉強しながら、譜読みを同時に行い、ピアノに座る姿勢、指の形、指番号、指くぐりや運指、両手を別々に動かすこと、16分音符を弾くための脱力や、和音を弾くことなどをいっぺんに消化しなければなりませんが、後者の場合、弱いところをエチュードで補強しあげれば、譜読みだけで終わりです。
エチュード集は、言うなれば学年ごとに新しい漢字が増えていく国語の教科書のようなものです。
小学校で6年間、中学校で3年間、漢字や熟語を学んでいく中で、いつの間にか辞書を引かなくても文学小説が読めるようになっているのと同じように、エチュードを進めていくうちに、いつの間にか弾きたい曲を弾けるだけの技術を身につけるようになっているものです。
自分が弾きたい曲を練習する合間に、エチュードの練習を並行して進めることをお勧めします。
2.初級のエチュード
「バイエル」、「ハノン」、「みんなのオルガン・ピアノの本」、「ブルグミュラー」、「ピアノエチュード集」などのエチュードはピアノを弾くための基本的な技術を習得することができます。
初級と中級をわける明確な線引きはありませんが、目安としてピアノ譜を正しく写譜できることがあげられます。
楽譜に書かれている情報を正しく認識できるようになることが初級の段階で学ぶべきことであるといえるでしょう。
3.中級のエチュード
「ソナチネ」、「チェルニー」、「ピアニストの毎日の基礎練習帳」などがあります。
中級では表面上に書かれている音符から、作曲者の意図を読み取る力を養う段階に入ります。
言いかえれば、ピアノを通して音楽的な表現をどのようにしていくのかということを考え始める段階ということです。
不足しているところや弱いところを強化するために、目的にあったエチュードを進めるてから、もう一度弾けなかったところを弾いてみてください。
きっと以前より弾きやすくなっていて、楽しくピアノを続けることができることでしょう。