ピアノを上達させるための練習法に大切な2つの要素と究極要素
ピアノを上達させるための練習法には習う生徒さんのレベルもよりますが、一般的に分けて2つあると思います。
一つは「テクニックありき」で、まず技術を磨いて曲を弾けるようにするシステマティックな練習法、もう一つは「どの曲をどういう風に弾きたいのか」、弾きたい曲とそのイメージをまず明確に持つ事から入る練習法です。
まずテクニックを上達させる方法についてですが、指を強くする事と素早く動かせるようにする事、あとは音の粒を揃える事が基本で、残念ながらこれに近道はありません。ある程度の時間と練習量が必要だからです
ハノンやツェルニー、クラマービューローなどの練習曲が定番で指を強くし、早く動かせるようにするには良い練習法ですが、機械的な面があるので少し退屈かもしれません。
既にある程度ピアノを弾ける方なら、今までに習った曲で好きな曲をゆっくりしたテンポで一音、一音強くはっきりと弾くのも一つの方法だと思います。例えばモーツアルトのソナタでトルコマーチの一部分だけとかブルグミュラーの曲の中から指の練習用に弾くと言う方法です。
粒をそろえるには粒を揃えたい箇所をリズムや弾き方を変えて弾いてみるのが効果的だと習いました。付点にしたりスタッカート、シンコペーションに変えたりして、意識的に粒が揃わないように弾く方法ですが、不思議と粒が揃って転ばなくなってくるのです。
もう一つ大切なのは、忙しい方も多いと思いますが、できれば毎日ピアノを弾く事だと思います。
次に弾きたい曲とそのイメージを持つ事から入る練習法についてお話ししましょう。
「この曲をこうやって弾きたい」という気持ちがピアノの上達に良い練習法になる事が多々あります。初心者でベートーベンの月光ソナタの1楽章を弾いた方がいらっしゃいましたが、どうしてもその曲を弾きたいという情熱がテクニックを超えて彼女にその曲を仕上げさせたのです。
又「このメロディーはクレシェンドで一気に盛り上げたい」と思えば、メロディーの途中でつかえているわけにはいきませんよね。
きっと何度も練習して転ばないようにするでしょう。気持ちの昂ぶりをメロディーに乗せるというよりは、気持ちの昂ぶりがメロディーを引っ張っていくと言う感覚が生じるのです。
そして弾きたいイメージ通りに弾くには、もっと練習してテクニックをさらに上げるという事につながっていくのだと思います。
「好きこそものの上手なれ」とはよく言った物だと思います。2つの練習法と共に、ピアノを好きになる事が究極の上達方法だと思います。