ハノンを使って子供のピアノを上達させる練習法
ピアノ学習者の多くの人に使用されているハノン教則本は、5本の指を鍛えるための練習曲や、全調の音階練習、同じ音を指を換えて弾く練習など様々な技術を身につけることができる教則本です。
全音などから出版されている一般的なハノンとは別に、子ども用に作られたハノンも出版されています。子どものピアノを上達させるために必要な、ハノンを使った練習法をお伝えしたいと思います。
1.ハノンをゆっくりのテンポで弾くピアノの練習法
ハノンは指を速く動かす練習というイメージを持っている人がいると思いますが、子どもにはまずゆっくりなテンポで弾かせます。
ゆっくりなテンポで弾く時の練習法のポイントを3つお伝えします。
1.指を上げる
10本の指を鍵盤の上に置き、弾く寸前の指だけを上にあげ、両手10本の指がそれぞれ独立して動いていることを認識させます。
注意点として指を上げた時、他の8本の指は必ず鍵盤の上に乗ったままにしておきます。
薬指は上がりづらいので小指が多少上がってもいいでしょう。
2.全ての指を同じ力で弾く
10本の指全て同じ力で、同じ大きさで弾くようにしましょう。
特に小指は力を入れても同じ大きさで弾くのは難しいです。
小指の力をつけることはとても重要です。
メロディーを弾く中で、特にこの音を綺麗に響かせたいと思ったとき、指番号通りに弾いていくとどうしても小指になってしまう時があります。
他の指は同じ大きさで弾けて、小指だけ小さい音だと綺麗なメロディーを弾くことができません。
小さいときから意識して小指を鍛えるのは今後ピアノを演奏するのにとても有利になりますので是非実践して下さい。
3.手の形を確認する
ゆっくり弾いていますので手や指の形をしっかり確認することができます。
手首は鍵盤の高さより下がらない、指は立てる、弾いているとき手は上下にぐらぐら動いていないかを確認します。
上記の3点に気をつけてまずはゆっくりのテンポでの練習法に取り組んでください。
2.リズム変奏する
ゆっくりのテンポの練習の次は、リズム変奏です。
子どものハノンでは基本形は八分音符で書かれていますが、それとは別にリズム変奏パターンが4つ書かれています。
リズムを変えることにより、手首を柔らかくし脱力をコントロールすることを自然に覚えていきます。
ピアノを上達させるには脱力は欠かせません。
体や腕に力が入っていると長い曲を演奏していると疲れてしまい、音自体も硬い音になってしまいます。
脱力することで速い音符や細かいリズムの難しい曲でも、音符の粒の揃った演奏をすることができ、伸びやかな音を奏でることができます。
あとリズム変奏をすることにより、様々な拍子感、リズム感、拍感などが身につき、曲を演奏する時に役立ちます。
3.十六分音符で速く弾く
そして最後に十六分音符で指を速く動かす練習です。
メトロノームに合わせて練習しましょう。
その子にあった目標の速さを設定し、初めはゆっくりのテンポから、毎日少しずつテンポを上げていくと目標のテンポで弾けるようになります。
ハノンは指の基礎練習なので子供には退屈に感じられると思いますが、今後ピアノを続けて上達するためにはとても意味のある練習法です。
毎日の練習の習慣としてハノンを取り入れましょう。