ピアノのペダルの種類
ピアノの下の真ん中には金色に輝くペダルが2本か3本並んでいますが、種類は4種類あります。
「ピアノのペダルの種類」では、各ペダルの名前と機能について説明します。
1.ペダルの種類
ピアノのペダルは、ダンパーペダル、ソフトペダル、ソステヌートペダル、マフラーペダルの4種類があります。
ダンパーペダルは強音ペダルとかラウドペダル、ソフトペダルはシフトペダル、ソステヌートペダルはサスティンペダル、マフラーペダルは弱音ペダルとも呼ばれています。
次に、それぞれのペダルについて順番に説明します。
2.ダンパーペダル
ダンパーペダルはピアノの種類にかかわらず、必ずついているペダルで、一番右端にあるペダルです。
ピアノは鍵盤をたたくとミュートの役割をするダンパーが離れると同時にハンマーが動いて弦をたたき、弦をたたいた後、ハンマーは弦に触れない位置に移動され、弦は開放されて振動し続けます。
鍵盤から指を離すと、弦はダンパーによりミュートされて音が止まりますが、ダンパーペダルを踏んでいると、すべての弦のダンパーが弦から離れた状態になるので、鍵盤から指を離しても弦は振動し続けるため、音が鳴り続けます。
ダンパーペダルを踏んですべての弦のダンパーが離れて開放されていると、他の弦が共振するため、音の響きが豊かになります。
弦の共振は次のような実験で試すことができます。
ピアノの左側にある低い「ド」の鍵盤を音を出さないように左手の指でゆっくりと押さえ、押さえている「ド」の音だけダンパーを離した状態にします。
次に、左手で押さえている「ド」はそのままで、右手で1オクターブ以上上の「ド」や「ソ」、「ミ」などを強めに打鍵してすぐに指を離してみてください。
すると、鍵盤から右手の指を離しているのに、右手で弾いた音が止まらないのです。
右手で押さえた音の弦は鍵盤から指を離した時点でミュートされているのでその弦は振動がとまっています。
これは、左手の指で押さえている「ド」の弦が振動しているためなのです。
その証拠に左手の指を鍵盤から離すと音は止まります。
いろいろ試してみるとわかりますが、左手で「ド」を押さえていても、右手で打鍵しても残る音と残らない音がありますが、残る音は倍音といわれる音になります。
ダンパーペダルを踏み、すべての弦が開放された状態では、一つの弦をハンマーが叩くと、他の倍音の弦が共振して、響きが豊かになるのです。
3.ソフトペダル
ソフトペダルはグランドピアノとアップライトでは構造が異なります。
グランドピアノでは鍵盤そのものが右にずれるため、シフトペダルとも呼ばれています。
鍵盤が右にずれるとハンマーも右にずれますが、弦の位置は固定されているため、打鍵した時に叩かれる弦の本数が少なくなります。
3本たたかれていた箇所では2本、2本たたかれていたところでは1本、1本の弦は芯をはずしてたたかれるため、音量が小さくなるのと曇ったようなやわらかい響きになります。
アップライトピアノの場合は、ハンマー全体の位置が移動し、弦までの距離が3分の1程度の距離になることで、音が弱くなります。
たたく弦の本数は変わりませんので音色の変化はありませんが、手のタッチ感はずいぶん軽く感じられます。
グランドピアノでは音色の変化によって表現力に幅をもたせることができます。
3.ソステヌートペダル
ソステヌートペダルはグランドピアノや電子ピアノ、上位のアップライトピアノの真ん中にあるペダルです。
ダンパーペダルはすべての弦のダンパーをはずしますが、ソステヌートペダルは特定の弦だけダンパーをはずすことができます。
4.マフラーペダル
アップライトピアノの真ん中にあるペダルで、ハンマーと弦の間にフエルトを入れることで音を小さくするためのペダルで、固定することができます。
これは騒音対策用のペダルです。
以上、ピアノのペダルの種類について説明しましたが、マフラーペダル以外は様々な演奏効果を持っています。
それぞれに練習法がありますが、その練習法については別の機会にご紹介します。