メトロノームの使い方 | ピアノが上達する練習法
ピアノの練習に欠かせないのがメトロノームです。今回は、メトロノームを使う目的といくつかのピアノの練習法をご紹介します。
1.メトロノームを使う目的
ピアノを弾く上で大切なことのうちの一つがリズムキープです。
リズムキープとは、曲のテンポを一定に保つことをいいますが、これは一朝一夕にはできないいとなのです。
弾いているときは夢中なのでわからないのですが、録音して聴いてみると不自然に速くなったり遅くなったりして、とても聴けたものではないことがあります。
だいたい自分でよく弾けると思っているところは速くなりやすく、苦手と思っているところは遅く、なんとかごまかせたと思っていても、現実はとてもシビアであり、ごまかせたと思っているのは自分だけだったりします。
メトロノームには感情もなにもありませんから、無慈悲にテンポを刻み、リズムを保つことを強要してきますが、メトロノームが作られた目的がそこにあるので嫌でも従わなければなりません。
もちろん、ピアノを弾くためには感情の表現が必要であり、実際の演奏は速くなったり遅くなったり、ルバートにしたりしますが、すべてはリズムキープができた上での話です。
基準になるテンポがはっきりしていてこそ、基準より速いのか、遅いのか、ルバートなのかを感じとることができるからです。
メトロノームは感情の表現を考えて練習するとき以外、常に鳴らしておいてもいいくらいです。
2.メトロノームを使った練習法
メトロノームを使う練習法はいくつかありますが、目的別に分類してみようと思います。
1.テンポを一定に保つ
基本的な使い方として、拍子に合わせてメトロノームを鳴らす練習法があります。
1拍目を違う音で鳴らす機能もありますので、必要に応じて使います。
メトロノームを鳴らしているのに、ピアノを弾いているとメトロノームの音が聞こえなくなることがありますが、これはメトロノームとぴったりテンポが合っているときに起こります。
リズムキープを目的としてメトロノームを使うときは、メトロノームの音が聞こえなくなることを目標に練習するといいでしょう。
2.メトロノームがなる回数を半分にする
普通四分音符で刻むところを二分音符で刻むようにします。
1拍目と3拍目、あるいは2拍目と54拍目にメトロノームがなるように設定して、弾きます。
これはメトロノームがなくてもリズムキープができるようにするための練習法です。
メトロノームがならない拍を自分の中で感じながら弾くことが大切です。
3.裏拍の感覚をつかむ
同じ曲で、メトロノームを半拍ずらしてみましょう。
メトロノームが裏拍として聞こえるようにテンポを保ちます。
始めのうちは難しいと思いますが、こうすることで、リズム感は飛躍的によくなりますので、ぜひともトライしてみてください。
4.ずっと同じテンポで練習しない
いくらテンポキープのためといっても、ずっと同じテンポで練習していると、そのテンポでしか曲が弾けなくなってしまいます。
十分に弾けるようになった曲を、倍くらい遅いテンポで弾いてみるなど、いろいろなテンポで弾いてみて、どんな速さでも弾けるようにしておくことで、柔軟性が身につきます。
3.伴奏の時はピアノがテンポを支配する
ピアノを弾くとき、一人で弾くこともありますが、連弾であったり歌の伴奏や他の楽器とアンサンブルをしたりと、複数の人と一緒に演奏することもあります。
そんな時は、ピアノがリズムの要になります。
頼りにされるピアノ弾きになれるように、メトロノームを使ってリズム感をしっかり養っておきましょう。