ピアノで古典派を練習する理由と上手な弾き方

ピアノを習っていて、先生から「まず、古典派から弾きましょう」とか、「古典派はきちんとした弾き方で」と、言われたり、またそういう話を聞いたりしたとき、理由は何だろうと思いませんか。

1古典派の音楽には.ピアノを勉強、練習する上で、基礎となる要素がある

古典派のピアノ曲は、ピアノの曲を分析したり、また、基本となる弾き方を身につけたりするのにわかりやすく、適しています。

1.古典派音楽の形式

古典派のピアノ曲には、ソナタ形式で書かれているものが多く、それは整った形式美の音楽です。

ピアノが上達していく為には、楽譜を見て、音符を追って曲を弾くだけでなく、楽譜を分析し、詳しく見ていくことも大切です。

楽譜を勉強するのに、古典派のソナタ形式では、「提示部」があって、第1主題、第2主題があり、続いて、音楽の流れやメロディが提示部と変わる「展開部」、そして再び、提示部と同じ、又は似たような「再現部」と、わかりやすく作られていて、勉強しやすいのです。

また、楽譜の分析では、例えば、曲の構造を見る上で、小さな固まりを「動機」というのですが、「動機が3つあって、それが主題のメロディを構成している」とか、「この和音は、次の和音へ展開して(曲がふくらんで)、その次のこの和音で終止している」というような、曲の構造も、先のロマン派以降の曲に比べて、わかりやすいのです。

2.古典派音楽のテクニックや音

古典派のピアノ曲のテクニックや、作り出す音にも大切なことがあります。

よく、「古典派は面白くない、なぜショパンを弾きたいのに古典派の曲を弾かなければいけないのか」といったような声がありますが、ショパンなどのロマン派以降の曲を弾くためにも、古典派の曲で学ぶべきことがあります。

古典派のピアノ曲は、きちんとしたリズムや弾き方、オーバー過ぎない表現で弾く事が大切です。

きちんとしたリズムで端正に弾くことや、重厚な和音をストイックに弾く事などが求められ、そういうことが、面白くないのかもしれません。

でも、ただきちんと弾くだけではなく、端正に弾いている中に込められた感情を、モーツァルトはモーツァルトの、ベートーベンはベートーベンの音で表現することは、とても勉強し甲斐があり、弾き甲斐があると思います。

また、きちんとしたリズムで端正に弾く事がしっかり出来てこそ、ショパンなどロマン派を弾く上で、テンポ ルバート(楽曲の速度を自由に加減すること)や、湧き出た感情を自由に表現することが、上手にできるのではないでしょうか。

2.古典派を上手に弾くために

ここからは、古典派を弾く上で気をつけること、そして上手な弾き方が出来るようにするにはどうしたらよいかを考えます。

先ほども述べたように、古典派のピアノ曲は、形式美を重んじ、きちんと弾く事が大切とされています。

ペダルを多用するなどして、弾きにくい部分をごまかしたり、感情をオーバーに入れて、テンポを揺らすことなどせず、細かいところまできちんと弾けるよう練習しましょう。

感情を自由に表現できない分、音色で表現出来るように、モーツァルトの可憐な音色、ベートーベンの素朴で骨太な音色など、など古典派の作曲家のことも勉強し、いろいろな作曲家の音色をピアニストが弾き分けているのを、聴きましょう。

ピアノの練習は、弾く練習だけでなく、楽譜から考えることも、また作曲家のことを知ることも、練習している曲のことを深く知ることができ、想像力を膨らませて曲を作ることとなり、それがピアノの上達につながっていくでしょう。

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