椅子の座り方 | ピアノが上達する練習法
ピアノの椅子にどのように座るかで、ピアノの弾きやすさが変わってきます。
「ピアノの椅子の座り方|ピアノが上達する練習法」では、どのくらいの深さで椅子に座るのか、どのくらいの高さに設定するのか、どのくらいの位置に椅子を置くのか、それぞれの基準について説明します。
1.どのくらいの深さで椅子に座るか
ピアノの椅子の座り方で、よくないのは椅子に深々と座ることです。
椅子に深々と座った場合、手に体重をかけて強い音を出せなくなったり、ペダルに足が届かなくなったり、左右の動きが困難になるため、高い音や低い音に対する表現力が低下するため、不安定にならない範囲で、できるだけ前の方に座ります。
だいたい、椅子の座る面の半分から2/3くらいの位置になると思います。
あまり前過ぎると足に体重がかかる割合が増えてしまい、足が疲れてペダル操作が困難になったり、演奏中に椅子から滑り落ちることもありますので、適度な深さで座りましょう。
2.どのくらいの高さに設定するか
椅子の高さの基準は、腕の状態を基準に考えます。
まず、鍵盤に指先をつけて、鍵盤と手のひらの間に卵一つあるつもりで手首を浮かせます。
その状態で、肘から手首が水平になる高さに設定します。
これは、ピアノを弾く指に、指の重み、手の重み、腕の重み、体幹の重みをかけることで打鍵の強さを調節しやすくするためです。
お子様の場合は、足が届かなくなる場合がありますが、必要に応じて足を置く台を準備してあげるといいと思います。
3.どのくらいの位置に椅子を置くか
次に、椅子の位置の決め方ですが、椅子の位置の考え方として、鍵盤に対して左右、そして前後という二つのベクトルに分けて考えます。
1.左右のベクトル
左右のベクトルでは、基本的にピアノの鍵盤に対して、左右中央に位置する場所に椅子を置きます。
これは、ペダルがピアノの左右中央に位置しているためですが、ピアノの高い音に対しても、低い音に対しても、できるだけ同じ力で弾くことができるようにするためでもあります。
2.前後のベクトル
次に、ピアノから椅子までの距離を調節します。
椅子に座ってみて、体幹は背筋を伸ばしてやや前かがみになる状態で、肘を曲げて腕と鍵盤が垂直になるようにして、手が鍵盤の黒鍵に十分届く位置に置いた時、肘が体幹より少し前になるような位置を探します。
体を前かがみにするのは、指先に体幹の重さをかけられるようにするためです。
足首から先は、足首を90度に保った状態で、かかとを床につけ、足の裏がペダルにかかる位置に置いてペダルを踏みやすい位置におきます。
手、足の両方に都合のよい場所を探してみてください。
4.なるべく負担のかからない状態を探す
ピアノの椅子に座る座り方をまとめてみましょう。
椅子に座る深さや椅子の位置は手足の自由度のために、椅子の高さは、指に手の重み、腕の重み、体幹の重みを指に乗せられるようにするために、それぞれ調節します。
ピアノの椅子の座り方は、ピアノをよりうまく弾きこなせるようにするために考えられた結果ですので、座り方一つでピアノの実力を推し量ることができます。
ピアノには指の筋力を鍛えたり、ペダルの使い方などの練習法がありますが、ピアノの椅子にどのように座っているかが、それらの練習法が効果を発揮できるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
正しいピアノの椅子の座り方をしっかり身に着けて、実りある練習ができるように心がけましょう。