初心者にありがちな弾き方の変な癖
今回は、ピアノの初心者がやってしまいやすい弾き方の変な癖についてお話します。
「ピアノはこういう弾き方」と勝手に思ってしまっていることで、弾き方に変な癖がついていたり、一生懸命なあまり、弾き方が変になってしまう場合などいろいろあると思います。
しかし、変な癖や弾き方は、ピアノの上達を目指す上で、ジャマなものでしかありません。
1.弾き方の変な癖、
ここでは、指やピアノの弾き方についてしまっている変な癖について考えましょう。
変な癖や弾き方をしている人は、自分では、変な弾き方だと思っていないと思います。
そして、その弾き方で練習するので、ますます、その癖を身体や指に覚えこませてしまっているのですね。
変な癖がついている人は、一生懸命練習してるのに上手にならなかったり、たくさん練習すればするほど、その癖や弾き方が直りにくくなったりして、本当に気の毒なことになってしまいます。
では、どのような変な癖、弾き方があるでしょうか
1.指をいったん上へ上げてから弾く
1本1本の指を手の甲より上げてしまっている弾き方です。
よく目につく弾き方の変な癖というと、どの指も、音を弾く前に指が鍵盤から離れ、指の付け根の部分を支点に指を上へ上げてから音を弾く、という弾き方です。
こんな風に弾くと、弾いている本人は、一生懸命、指を動かしているような感じがして、頑張って弾いているような錯覚をおこしてしまいます。
また、初心者で指がまだそんなに動かない人、あまり練習していないため指が動きにくかったりする人の場合、そうやって、弾く前に指を振り上げることで、反動をつけて指を動かさなければ、音が出しにくいのかもしれません。
ピアノの正しい弾き方というのは、出来る限り、鍵盤に指をくっつけて弾く弾き方で、鍵盤に触れている指が、下に下がることで音を出していのです。
指が手の甲より上へ上げるような弾き方は、無駄な動きであり、スムーズな音楽が作れません。
指を上へ上げず、指の付け根より下へ動かすように気をつけましょう。
2.手、指を上から落とす
この変な弾き方の癖は、和音を弾くときや、決めの音を弾くときなどにやってしまいがちな人が多いです。
よく、テレビやドラマなどでピアニストの映像を見ると思いますが、ピアニストが最後の和音を弾いた後、手(腕)が鍵盤から離れ、胸の辺りや、時には下を向いている頭より上の方にまで上がっている映像を思い出しませんか。
とても格好良くて、「弾き切った」という感じがあらわれていますよね。
ドラマでのピアニストの弾き方は格好良さを求めていると思うので、弾き方云々の対象として見ないとして、本当のピアニストの弾き方をよく見ると、和音や決めの音を弾くときには、指は鍵盤にふれていて、指が鍵盤を下げ、その音を弾いた直後に、反動のように手が上へ跳ね上がっていることがわかります。
手が上がっているのは、音を弾いた「後」なのです。
ところが、ピアノ初心者などには、ピアニストの手が上へ跳ね上がっていることが、映像として、またイメージとして強く印象に残ってしまいやすいので、手を上から落とすように弾いてしまうのです。
また、強い音を出そうとして、しっかり弾こうとして、上からバーンと弾いてしまうこともあるのでしょう。
この弾き方も、ピアノの正しい弾き方ではありません。
「指はできるだけ、鍵盤から離さないように」ということを常に頭に置いておきましょう。
次は、指についての変な弾き方ではなく、体についての直した方がよい弾き方です。
2.重心が前へ傾いている弾き方
重心が体の前へ(ピアノの方へ)傾いてしまっている弾き方だと、良い音が出せません。
体についての直した方がよい弾き方についてですが、指についての変な弾き方だと、見ていてわかり易いのに、体については重心が前へ傾いているのかどうかを判断することは、意外と難しいのです。
ピアノを弾く時、前へかがんで弾いている人がいますが、その弾き方をしている人が、みんな重心が前へ傾いているとは言えないのです。
体が前へかがんでいても、体の重心が真ん中にあり、体幹がしっかりしていれば、それは、良くない弾き方とは言えません。
しかし、ピアノを弾くのに必死のあまり、前のめりになってしまう弾き方のように、前へ重心が傾いてしまうと、腕や手や指に、負担がかかりすぎてしまったり、体のバランスが悪くなってしまい、思うように指が動かなかったり、自然なきれいな音が出せなくなってしまいます。
自分の重心、体の芯のことも考えてみましょう。
ピアノが上達していく為には、指だけでなく、体で支えることも大切ですね。