コードの練習法 | ピアノの上達法
コードネームを見てすぐピアノが弾けるようにするためには慣れが必要ですが、コード進行の決まりを知った上で練習すれば、次のコードを予想しながら弾けるようになります。
「コードの練習法 | ピアノの上達法」でコード進行の基本をマスターしましょう。
1.コードの機能
コード進行とは複数のコードが連結されて続いていくことをいいますが、でたらめにコードをつなげてみると、自然に感じる進行と、何かおかしいと感じる進行があることに気づきます。
何かおかしいと感じるのは、コードが機能を持っているためです。
1.トニック・コードの機能と種類
トニックとは主音(ハ長調ならド)のことで、トニック・コードは主音を根音とした主和音C(ドミソ)であり、調性を決定づける和音です。
コード進行は主和音で始まり主和音で終わるようになっていて、トニック・コードは終結感をもたらします。
トニック・コードの機能を持つ和音はハ長調では主和音であるCの他にAmがあります。
2.ドミナント・コードの機能と種類
ドミナントは主音の完全5度上の属音(ハ長調ならソ)で、属音を根音とする属和音G(ソシレ)は主和音に戻ろうとする機能があります。
これは導音(シ)が主音(ド)に戻りたがるためで、この機能は第七音(ファ)が追加された属七の和音G7では、主音の第三音(ミ)に戻りたがる第七音(ファ)が加わることで主和音に戻ろうとする機能は更に強化されます。
他のドミナントの機能を持つものとしては、主和音の第二転回形(C/G)から属和音(G)に連結する進行が二つセットで一つのドミナント機能とみなされています。
3.サブドミナント・コードの機能と種類
サブドミナントは下属音(ファ)であり、下属音を根音とした下属和音F(ファラド)はトニックとドミナントの機能を持つコードのどちらにも移行できます。
サブドミナントの機能を持つコードは、ハ長調ではFの他にDmがあります。
2.カデンツの種類
コード進行の最小単位をカデンツといいますが、カデンツがいくつもつながって一つの曲が作られています。
トニックをT、ドミナントをD、サブドミナントをSで表示して、カデンツの種類をみてみましょう。
1.T-D-T
ハ長調のコードで表示するとC-G-CまたはC-G7-Cとなりますが、他のトニックの機能を持つコードに置き換えるとC-Am(T)-G7(D)-Am(T)などのように変化をつけることができます。
1.T-S-T
ハ長調ではC-F-Cとなり、Am-F-Cなどのように変化させることができますが、DmはCよりもGにつながりたい気持ちが強いため、このカデンツではあまり使用されません。
特にF-Cの進行はアーメン終止とも言われていて、賛美歌の最後につけられる「アーメン」の部分のコード進行になっています。
1.T-S-D-T
ハ長調ではC-F-G-Cですが、このカデンツが最も変化に富んでいて、C-Am(T)-F-Dm(S)-C/G-G7(D)-Am(T)のように変化させることができます。
3.コード弾きをしてみる
他の調から和音を借りてくる借用和音を使えばもっと変化をもたせることができますが、どのような場合でもこの3つのカデンツで分析することができます。
コードネームがついている楽譜を使う機会が多い場合は、ぜひ、コード進行がどのパターンになっているかを分析してみて、一度伴奏譜を無視してピアノでコード弾きの練習をしてみて下さい。
そのようなピアノの練習を通してコード弾きが上達することはもちろん、無味乾燥なコード弾きがどんなふうにアレンジできるのかなど、新しい目で音楽を見つめなおすことができ、音楽の楽しさを実感することができることでしょう。