子供にピアノを習わせる効果とは?
子供にピアノを習わせることで何か良い効果があるのでしょうか。
春になり、新しく習い事を始めるシーズンになると、よくテレビやネットに、習い事のメリットや、習い事の「こんな効果が期待できる」というような情報が溢れますね。
今回は「子供にピアノを習わせる効果とは?」についてです。
1.子供にピアノを習わせる効果
この項目では、子供にピアノを習わせる効果を、考えてみます。
私は、科学的に証明したり分析したりすることは出来ませんが、ピアノを教えてきた経験から、子供にピアノを習わせる効果について考えてみたいと思います。
1.聴く力が育つ
子供の頃からピアノを習うと聴く力が育ちます。
ピアノを教えていて、子供の頃から、ピアノを習っている人は、耳が良いと感じます。
和音の音あて(和音を弾いて、何の和音を弾いたか答える)や、聴音(先生が弾いた音を答えたり、五線紙に書いたりするもの)をレッスンでしていますが、子供の頃からピアノを習っている生徒は簡単な和音や聴音なら難なく正解でき、複雑なものも、少し訓練すれば、答えられるようになっています。
小さい頃から、音を聞き分ける訓練をしているので、聴く力が育っているのでしょう。
英語なども、子供の頃にネイティブの英語を聞いていた子供は、発音が良いといわれるのと同じで、子供の頃に音を聴き分ける練習をしているので、耳が鍛えられていると思います。
2何でも効率的に出来るようになる.
ピアノが上手な子供は、何でも効率的にこなせています。
ピアノの練習は、ピアノの曲の自分の苦手な箇所、また、自分が苦手とする事を自分で見つけ、そこを反復練習することです。
最初は、苦手なところの反復練習を真面目にコツコツと何回も練習していても、だんだんと要領を得てきて、短時間で上手に弾けるように、練習出来るようになります。
苦手ポイントを見つけ出し、そこをどうしたら上手に弾けるか、弾きやすくなるかを考え、なるべく短時間でそれが出来るように練習する・・・効率的に練習することが出来ます。
子供のうちは、自分でそこまで出来なくても、自分が苦手な箇所を、そして練習の方法を先生に教えてもらっているうちに、効率的に出来るように自分で考えられるようになっていくのです。
コツコツと努力することも、もちろん得意で、しかも、効率的に考えることもできる、その考え方、やり方が、いろいろな他の場面でも生かされているのだと思います。
また、楽譜にかかれていることを読み取り、書かれていないことを考える、それを演奏で表現するため、どのように曲を構成するか考える、複雑に動く指、それと同時に思考している頭、そんなことを日々しているので、効率的でなければなりません。
2子供がピアノを好きかどうか.
子供にピアノを習わせる効果は、子供がピアノを好きかどうかで大きく違います。
子供にピアノを習わせたら「聴く力が育つし、効率的にものを考えられるようになる」と期待してしまいますが、それは、子供がピアノを好きで練習していることが前提です。
好きでもないピアノを仕方なく習わされている場合、子供は、自分で自分の弾いた音を聴こうとしていません。
自分の弾いている曲が、音が、聞こえてきているだけです。
「聴く」という行為をしていないのに、聴く力は育ちません。
また、何とか楽譜を読んで、指がピアノの鍵盤を弾いて、練習もあまりしていない為、演奏とは言い難い「ただピアノを弾く」ということしているのでは、全然頭が使えていないので、効率的がどうこう言う以前に、頭がものを考えていません。
好きこそものの上手なれ・・・で、ピアノが好きだから、自分の音を聴いて、コツコツ努力し、考えて練習することが出来る、だからピアノが上手くなる・・・という順番です。
ピアノを習ったら、みんな効果がある!ではありません。
ピアノを習わせる効果を期待する前に、まずはピアノが好きかどうかですね。