ピアノのピアニッシモを美しく弾く弾き方と練習方法
私は、ピアノの先生に「ピアノでピアニッシモの美しい弾き方は、本当に難しい」と教えられた事がとても印象に残っています。
本当にその言葉通り、ピアノの生徒にピアニッシモの弾き方を教えるときも、自分がピアノでピアニッシモを弾く時も、美しいピアニッシモを求めて、考え迷います。
今回はそんな「ピアノのピアニッシモを美しく弾く弾き方と練習方法について」お話したいと思います。
1.ピアニッシモについて
ピアノでピアニッシモは何か、どのような弾き方をするのかについてです。
ピアニッシモとは、強弱記号の一つで「極めて弱く」という意味です。
ピアノで弱い音(ピアノやピアニッシモ)の弾き方とは、どのように弾くのでしょうか。
「そーっと弾く」、「ピアノの鍵盤を浅く弾く」、「指に力が入らないようにして弾く」・・・そのように弾いてしまう人がいますが、どれも間違いです。
ピアノで弱い音、ピアノ(p)やピアニッシモ(pp)の弾き方は、打鍵速度(鍵盤が下にさがる速度)がゆるやかなのです。
ピアノでフォルテを弾く場合は、打鍵速度が速く、反対にピアノやピアニッシモは、打鍵速度が速くなく、ゆるやかになります。
間違った弾き方でピアニッシモを弾くと、「音として正しく鳴っていない」ことになります。
ピアニッシモは極めて小さい音だけれども、響きを失わず、きちんと「音」として弾かれなければなりません。
そのためには、自在にコントロールされた指の打鍵の仕方で、打鍵速度をゆるやかに弾く弾き方で、極めて弱い音を弾く事が出来ます。
2.美しいピアニッシモについて
この項目では、音が「極めて弱い」だけのピアニッシモでなく、「美しい」ピアニッシモについて、またその弾き方について考えていきます。
1.美しいピアニッシモとは
美しいピアニッシモとは、どのようなものでしょうか。
ピアニッシモの言葉の意味は、「極めて弱く」の一言ですが、ピアノが上達してくると、ただ単にとても小さな音で弾くのではなく、ピアニッシモで弾くことによって空気がピンと張るような緊張感があったり、とても美しく聴く人を魅了したりと、ピアニッシモは弾く曲によって、また弾く人によっても、変わるとものだと思います。
極めて小さい音だけれど、しっかりと響きがあり、曲の印象さえも左右してしまうものが美しいピアニッシモだと、私は思います。
2.美しいピアニッシモの弾き方と練習方法
美しいピアニッシモの弾き方、そして練習方法について考えていきます。
美しいピアニッシモを弾くには、まず曲から、どのようなイメージでどのような音色のピアニッシモを弾きたいのかを思うことです。
そして、まず腹筋をしっかり入れて重心を固定し、それに反するように、上半身、横隔膜の辺りは上へ引き上げられるように、浮かぶように上へ、そして、肘や、腕、背中(肩甲骨の辺り)など、体を上手に使って、ピアニッシモに適した重みを加減して鍵盤のせるように、静かにゆるやかに打鍵して、ピアニッシモを作ります。
それには、指先のコントロールが自在に出来る事や、自分の重心や上半身、肘、腕、背中(肩甲骨の辺り)を上手く使えるように、練習しなければなりません。
そして、自分の耳で、自分の思うような、自分の求めるピアニッシモが弾けているかどうかを常に意識して、先ほど説明したピアニッシモの弾き方で自分の求めるピアニッシモを探してください。
ピアニッシモ練習は、自分の求めるピアニッシモの音を見つけ、それに合った弾き方の感覚、音の出し方、弾き方を自分で見つけていくことです。
ピアニッシモの弾き方を上達させるためには、自分の取り組んでいる曲で日々どのような音を出したいのか、弾きたいのかを考えるように練習しましょう。