ピアノのタイの意味と上手な弾き方
ピアノを習い始めて最初のうちに、音楽記号のタイはすでに出てきて、弾き方を習います。
タイは、それこそピアノ初心者の曲から、ピアノが上達していく過程で弾くいろいろな曲に、本当に多く出てきています。
ピアノのレッスンの最初の方で習うタイですが、どのような記号で、どのような意味があるのか、また、上手な弾き方をするには・・・今回は、それらを見ていきます。
1.音楽記号タイの弾き方と意味
この項目ではタイの弾き方や、意味について説明します。
1.タイの弾き方
楽譜にタイが出てきた時の、タイの弾き方を説明します。
タイとは、同じ高さの2つの音符を弧のような線で結んだもので、その2つの音符の音価を合わせた長さをつなげて演奏することを表す記号です。
弧のような線の形がスラーとよく似ていますが、タイとスラーの違いは、タイは弧のような線で、同じ高さの音符と音符を結んでいて、その2つの音符以外は、弧のような線の中に音符はありません。
一方スラーは、滑らかに弾きたい部分の上に書かれていて、滑らかに弾きたい音符が、その弧の線の下に2つ以上あります。
また特に、2つの音符を結ぶスラーが、タイにとても類似していて間違いやすいですが、スラーは2つの音符が同じ高さではなく、たとえ同じ音であっても高さが違います。
タイとスラー、形がよく似ていますが意味は全く違いますので、注意してください。
2.タイを使う意味
タイが2つの音の音価を合わせ、つないで弾く意味について説明します。
なぜタイを使って、2つの音符の長さをつないで弾くのでしょう。
4分音符と4分音符の長さをつないで弾くのなら、2分音符を使って書けば簡単だし見やすいのに・・・。
それは、4分音符と4分音符の間に小節線があるからです。
小節線をまたいで、4分音符と4分音符を合わせた長さを、2分音符で書くことは出来ませんので、4分音符と4分音符をタイで結んで、2分音符分の長さを伸ばして弾くように表すのが、タイなのです。
また、4分音符と8分音符のように、合わせた長さを付点4分音符のような別の音符に置き換えて書けるものばかりでなく、例えば、2分音符と16分音符の長さを合わせる場合は、タイを使わなければ、書き表すことは出来ません。
その他にも、ピアノの楽譜のように、右手と左手の両方が書かれている楽譜であったり、何声部かに分かれているものが一緒に書かれていたりする楽譜だと、「右手(または、ある声部)は、4分音符+8分音符の分伸ばしているが、左手(別の声部)は、四分音符を弾いてその後の8分音符のところも弾いている」というように、例では簡単な音符での説明ですが、複雑な楽譜だったりすると、タイを使って書いたほうが、見やすいということも考えられるでしょう。
2.タイの上手な弾き方
タイの上手な弾き方というより、「気をつけるべき弾き方をして、タイが上手に弾ける」ように説明します。
ピアノを弾く事に慣れてくると、また、上達して次々といろいろな曲を弾いていると、タイが出てきても、特に「気をつけないと」なんて思わずに、何気なく弾いていたりしますよね。
タイで結ばれた2つの音符の長さを、ただ数えて伸ばすのでは、後の方の音の数え方が、ほんの少し早くなりやすく、そのぶん1拍が短くなり、拍子がくるってきます。
タイがかかっている後ろの方の音は弾きませんが、しっかり意識して、弾いたつもりで伸ばすことで、拍をしっかり刻むことが出来ます。
タイの弾き方は、「上達する」とか「上手くなる」いうものではありませんが、ピアノ初心者のころから弾いているタイは、慣れてきていい加減な弾き方にならないように、拍を意識して、丁寧に弾くように、気をつけておきましょう。