ピアノのクレッシェンドとデクレッシェンドの上手な弾き方
クレッシェンドとデクレッシェンド、ピアノを弾く人はよく聞きますが、では実際、上手に弾こうと思ったら、どのような弾き方をしたらよいのでしょうか。
2.音の粒をそろえる
クレッシェンド、デクレッシェンドして弾いている部分の音の粒を、きれいにそろえて弾きましょう。
「だんだん強くして」そう思って弾くと、「強くしないと」という思いから、手や指に力が入って、固く汚い音や、無理のある強さになってしまうことがあります。
また、「だんだん弱く」と思うあまり、音が上ずったり浮いたりしてしまうと、芯のない音でデクレッシェンドが終わってしまう、などということになります。
音が固くなったり、上ずって浮いたり、そのほかにも、クレッシェンドやデクレッシェンドしているフレーズの途中で、音がボンと一音飛び出して大きくなったり、反対に音が抜けてしまったり、そんな弾き方だと、きれいで音楽的なクレッシェンド、デクレッシェンドとは言えません。
音の粒をそろえて弾くには、最初の項目で「このくらいの大きさから始めて、このくらいの大きさで終わる」と計画されたクレッシェンドやデクレッシェンドを、計画通りに仕上がるように、ゆっくり練習することです。
ゆっくり弾く事で、強くしていく段階で、腕や指に力が入ってくることを防ぐことができ、また、弱くしていく途中に音が上ずったりせず、弾けるようになります。
ピアノの上達には、ゆっくり練習がとても大切です。
2.自然なクレッシェンド、デクレッシェンドとは
ここからは、クレッシェンドやデクレッシェンドをどのように自然に弾くかということをお話しします。
歌を歌う時のことを考えてみましょう。
自分が歌いやすい歌でよいので、盛り上がっていくところを、クレッシェンドをつけてだんだん大きく歌ってみると、腹筋を使って押していくように歌っていることがわかりますか。
同じように、デクレッシェンドでだんだん小さく歌う時も、腹筋は使われています。
「弾き方」というと、指先のことだけ思ってしまい、音の強弱や、クレッシェンド、デクレッシェンドなどを、指先だけで作ろうとしてしまいますが、音楽は心や体も同時に奏でているので、歌を歌う時のように、歌ってみて自然なクレッシェンド、デクレッシェンドを作るようにします。
クレッシェンド、デクレッシェンドが上手に弾けるように上達したいと思ったら、「クレッシェンド、デクレッシェンドを、上手に弾く弾き方は・・」ではなく、「こんな感じに大きく盛り上げていきたい」、「こんなふうに小さく消えていくように」と、まずは「こう弾きたい」という気持ちがあって、そうなるように練習をしてこそ、自然なクレッシェンド、デクレッシェンドが出来るようになるでしょう。