自己流のピアノの練習法では変な癖がついてしまう
ピアノ教室に習いに行っても、練習法が地味でつまらないからと、自己流でピアノを練習する方があります。初めのうちは好きな曲を練習していい気持ちになりますが、指使い(運指)を適当な練習法で身につけてしまうと、後々困ることになります。
正しい指導を受けた方は、親指を下からくぐらせて弾きますが、自己流で練習した方の中には、まるで鍵盤の上を指が歩いているかのような弾き方をする方もあります。一度身についた悪い癖は、直そうとしてもなかなか直りません。
ゆったりとしたテンポの曲なら、それでも何とか弾けるのですが、早いパッセージになると、指使いがでたらめだと、音もメチャクチャに聴こえてしまいます。せっかくピアノを練習するのですから、正しい練習法を身につけたいものです。
ピアノを弾く時の指の形は、玉子を軽く握ったような丸い形にして、手首の力を抜いて鍵盤の上に指先をを置きます。自己流で練習した方は、手を開いたような形にして、指先でペタペタ鍵盤を弾いてしまう人もいますが、鍵盤の中心にうまく指が入らないので、いい音が鳴りません。
指の形を整えて、音をよく聴きながら、一つ一つの音を弾く練習法を取り入れると、ちょっとした小曲でも上品に聴こえます。また、メロディーを歌いながら練習するのも良い方法です。同じ曲を弾いても、ただ楽譜どおりに弾いている人と、心の中で歌いながら弾いている人では全く違って聴こえます。
プロのピアニストは幼いころから指導者について、きちんとした練習法を身につけているので、どんな曲でも自分なりの表現ができます。ハノンなどの教則本を使い、綺麗な音で指を正しく速く動かすトレーニングをすると、弾く時に指がスムーズに動きます。スポーツでいえば基礎トレーニングです。
バイエルなどは最近は使わない指導者も多くなってきました。使用される教則本は指導者によって違います。大人になってからピアノを始める方の中には、いきなり有名な曲から練習を始める方もあります。
自分が弾きたい曲が弾けると嬉しいですね。しかしその場合でも、自己流ではなくて、正しい指導を受けることが上達の早道だと思います。