耳コピを練習に取り入れよう! | ピアノが上達する練習法
クラシックピアノの曲は、楽譜に書かれたものを演奏するため耳コピなんてものは必要ないものですが、耳コピができるようになることで音楽的な理解が深まることには間違いありません。
この記事では、耳コピの威力をお伝えしたいと思います。
1.耳コピとは
耳コピとは、耳で音楽をコピーすることで、耳で聴いた音を楽譜に書き出したり、そのままピアノで再現することをいいます。
音楽教育上の言葉としては「聴音」がそれに該当しますが、「聴音」は小節数、拍子、調性が最初に教えられて、1小節カウントした後にピアノで引き始めた音を楽譜に書き取る実技です。
でも、そんな専門的な実技はさておき、テレビのコマーシャルで流れる曲を口ずさむとか、楽譜を見たこともないはずの曲をカラオケで歌えるのは、旋律を耳コピできているからなのです。
耳コピは誰でもできることなのです。
2.耳コピの効果
誰でもできる耳コピではありますが、聴いた音を口で歌った後、ピアノで弾いてみようとすると、弾けなかった、ということが多いのではないでしょうか。
では、口で歌うのと、ピアノで弾くのとでの違いは何でしょうか。
口で歌う時は「チャンチャチャンチャ」でよいのですが、ピアノで弾く時には「ドーレドーレ」に変換しなければなりません。
連続する音と音のインターバルを感覚で捉えるのではなく、ドレミで捉えること、もっといえば、短3度とか5度というように数値化する作業が必要になるのです。
耳コピをすることで、曲はハ長調だけではありませんので、いろいろな調の音階を楽しみながら覚えられるようになります。
また、曲は旋律だけでできているわけではなく、和音を伴うものがほとんどですので、和音の機能の感覚や和声進行についても理解が深まります。
旋律以外の音を聴き取れるようになると、歌う時にきれいにハモルれるようになったり、旋律につられにくくなったりと、耳コピを毎日少しずつ取り入れることで、音楽的な実力を大きく向上させることができるのです。
3.耳コピの方法
では、具体的な耳コピの方法についてみてみましょう。
まず、一番よく聞こえてくる旋律だけを聴き取り、ピアノで音を確認しながら楽譜に書いてみます。
これだけでも十分ですが、物足りなく感じてきたら、次のステップに移りましょう。
旋律の次はベース音、つまり、一番低い音を聞き取ります。
旋律と違う音に耳を傾けて、その動きを書き取ることはよい耳の訓練になります。
ベース音もしっかり取れるようになったら、最後のステップです。
旋律とベースの音から和音を推測することが簡単になります。
和音は「ドミソシレファラ」などのように3度ずつ上に重なってできていて、テンションにあたる「シレファラ」の音はそのままだったり半音上がったり下がったりしてできています。
例えば旋律が「ソ」でベースが「ド」で、和音として「ドミソ」に聴こえるなら、それ以外の音は「ミ」または旋律やベースとは違う高さの「ド」か「ソ」になるという具合に音の高さを探していくことができます。
聴いた音をピアノで再現してみると、何か違う・・・と思うことはよくありますが、その違いが何かを毎日少しずつ、時間をかけて探求するのもよい訓練になります。
音が省略されていたり、意外な和声進行をしていたり、いろいろな発見があり、今まで見えてこなかった音楽が見えてくるようになります。
毎日、ほんの少しの耳コピを続けることで、音楽性がとても豊かになることを実感することでしょう。