ピアノ初心者のおすすめの練習曲
ピアノの初心者にとって、指ならしとして弾ける曲で、飽きのこない、弾いていて楽しい曲があれば毎日続けられますよね。
そんな「ピアノ初心者のおすすめの練習曲」を3曲選んでみましたので、ぜひ参考にして下さい。
1.メヌエット ト長調(BWV 114)
この曲はとても有名なので、一度は聴いたことがあると思います。
バッハが2番目の妻であるアンナ・マグダレーナにバッハが贈った音楽帳の第二巻に収録されている曲です。
第二巻は1725年に書かれたバッハの作品に加え、アンナ自身によって子供たちの家庭の音楽教育のために1740年ころまで書き加えられていったものです。
近年、メヌエットはクリスティアン・ペツォールトという作曲家の曲であることがわかってきました。
この曲は右手の旋律と左手の対旋律の二声でできあがっているため、右手と左手の両方を歌わせるピアノの練習曲としてとてもよい曲です。
ピアノを習い始めた子供でも弾けるほど簡単でありながら、とても奥が深く、美しく弾くためにはとても難しい曲でもあるのです。
右手の旋律と、左手の対旋律をメロディとして弾きわけることは脳梁を刺激するのにとてもよい練習になるし、繰り返しをするときは音を小さくしてピアニッシモでピアノの弦の響きだけを美しく響かせるよい練習曲になります。
2.平均律クラヴィーア曲集 第1巻の前奏曲 第1番 ハ長調(BWV 846)
シャルル・グノーがアヴェ・マリアの伴奏として用いた曲としてとても有名な曲です。
両手で一つのアルペジオを分担しているため、ピアノを弾くための両手のためにとてもよい練習曲になるし、リズムキープのよい練習にもなります。
曲の最後のほうまで同じ型の繰り返しでとても弾きやすいのですが、単純なアルペジオの中にも感情の起伏が感じられ、純粋に和声進行だけによる感情表現を楽しむことができます。
音量を大きく強くしたいなぁと思えば、強く弾き、小さくしていきたいなぁと思えば小さくなるように弾けばよいのです。
少しタメがほしいと思えば、一瞬遅らせて入ってみればよいのです。
ただし、テンポの流れの中で許容される範囲内でのタメにしなければなりませんので、全体のリズムキープを意識しながらテンポを揺らす練習にもなります。
3.ベートーベン ソナタ「月光」第一楽章
楽聖・ベートーベンといえば第九交響曲で有名ですが、ピアノ曲も有名ですよね。
ベートーベンは作曲家として知られる前の若い頃は、優れたピアノの即興演奏家として知られていました。
ベートーベンのピアノソナタは全部で32曲ありますが、「月光」は「悲愴」や「ハンマークラヴィーア」などと並んで有名でありながら、第一楽章は初心者でも弾ける曲です。
臨時記号がたくさんあるので、譜読みは少々大変かもしれませんが、速く動く部分がない分「エリーゼのために」より簡単に弾けるようになると思います。
この曲は、伴奏の部分と旋律がはっきりと分かれているため、特定の音を目立たせるために同時に打鍵しながらも、その音だけを強く弾くという技術が必要になります。
この意味では「エリーゼのために」にはない難しさかもしれませんが、特定の音を際立たせる練習にはもってこいの曲でしょう。
また、ピアニストの演奏を聴いてみれば、感情がより複雑に表現されていて、テンポが速くなったり遅くなったりしているのがわかると思います。
ピアノで感情を表現するための練習曲としても優れていると思います。
以上、3曲取り上げてみましたが、私の好みもはいっていますので、偏りがあるかもしれません。
でも、それぞれに練習曲としての内容は十分に備わっていると思いますので、ピアノの練習曲として毎日弾いていれば、とても効果の高い練習曲になると思いますので、一度チャレンジしてみてください。